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 北キプロスの危険な休日 - A UN staff saved Ponpoco.

  

1. コトの発端 - What invited me there?
2. 情報を集める - Getting there and around.
3. 顧客不満足 (*`´) - Customer unsatisfactory company.
4. 月夜の入国 - Ercan airport at midnight.
5. ギルネの安宿 - Good night in Girne.
6. 情けはヒトのためならず - Help me, please.
7. さよなら北キプロス - I enjoyed my trip.
 
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6. 情けはヒトのためならず - Help me, please.

雲ひとつない,ぬけるような青空♪

海辺の町ギルネでの「なぁ〜んにもしない」を楽しんだ休暇も
残すところ,あと1日。

最後の日くらいは,話のタネでもさがしに
レンタカーを借りてちょっくら出かけることにする。


日曜日の早朝。
町は静かで,オフィスはみんな閉まっている。
レンタカーの看板を掲げた店は,やたらたくさんあるのに・・。

旅行ガイドに載っていた「Oscar Car Rental」のオフィスが
開いていたのでさっそく入る。
カウンターの,彫りの深いギリシャふう美人のおねーさんに
 「きょう1日だけ車を借りたいんだけど・・
  あしたは朝はやく町を出ちゃうので
  きょうの夕方,何時までに返しにきたらいい?」
とたずねたら・・
 「Only today?? No. Minumum 3 days.」
だって・・(T▽T)

すこし先の,ガイドに「いちおう有名」とあった「Dome Hotel」の
「Atlantic Car Rental」というオフィスも開いていたので
(なんで地中海なのにアトランティック?)入ってみる。

陽気な自称キプロス人の白人のおっさんに事情を話すと
ウチも保険の関係でレンタルは最低3日だけど
あしたの朝に空港に乗り捨てていってくれてイイよ,と
おおらかなコトを言ってくれるので
渡りに舟・・と,飛びつく。

3日で,保険込み3750万リラ・・約7500円!?・・そんなに安いんかい?・・で
カードだと10%割増しだというので,ニコニコ現金払い。

車庫から持ってきた車は・・いやはや・・オンボロ。
ルノーのTOROSという,5ドアタイプ(?)の超小型車。
まぁ,元気に走ればボロでもいいやぁ・・と
何も考えずに借りちゃったのが運の尽き・・だったラシイ( ̄ー ̄;;)


北キプロスは,車は日本と同じ左側通行。
「安い車は(欧州仕様の?)左ハンドルだけどいいか?」と
念を押されたけど・・まぁ,それはイイ。
マニュアルシフト・・左ハンドルで・・も
いちおう去年ニューカレドニアで経験しているから
なんとかダイジョブ・・だと思う。

問題は,そのボロさ。
シフトアップが渋くて
いちばんよく使う3速に入りにくくて
最初のうちは悪戦苦闘。

日本や米豪の「ガソリンは満タン貸しの満タン返し」と違って
「カラで貸すから好きなだけ入れな」という習慣らしくて
(考えると・・ずるいよな・・どーしても最後に残るもん)
とりあえず最寄りのガソリンスタンドに寄る。
満タンに入れて1500万リラ(約3000円)は・・けっこう高いな。


んで,さっそくドライブらんららん♪
どーせ好きなところを走れるんなら
やぁ〜っぱ海岸沿いの道でしょう♪
渋かった3速へのシフトアップも
だんだんコツがわかってきて苦にならなくなる。

背の低いオリーブ(?)の樹がまばらに生えている
地中海ふうの(←どんなだ?)景色の中をひたすら走り
ときどき道を外れて,浜辺で潮風に吹かれてみたりする。
海はひたすら深く紺碧に澄んで,溜息が出るほどきれい。

レンタカー借りて良かったよぉ。

途中,大きな荷物を持った
3人くらいの家族(?)にヒッチされそうになる。
一瞬アクセルをゆるめてためらったのに
なんだか止まれなくてゴメンナサイしちゃう。
バックミラーの中で残念そうに道端に戻る姿が見えて
やっぱ拾ってあげるべきだったかなぁ・・と
すこし後悔したりする。


ギルネの町から海沿いにずぅ〜っと東へ走って
あるところで,すんごい澄んだきれいな入り江を発見して
大石小石のデコボコ道をぐわんぐわんと浜辺まで下りて
しばらく日光浴をしながら波音を楽しむ。

ハラも減ったし,手持ちのミネラルウォーターも飲んじゃったし
そろそろどっかで遅い昼メシにするか・・と
デコボコ道を登ろうとしたら・・スリップして登れない。

何回やっても,途中でタイヤが空回り。
気のせいかエンジンの音も荒くなって
しかもやけに簡単にエンストする。
さすがにアセりはじめる。

落ちつけ落ちつけ・・こんな時はさぁ・・
FF(フロントエンジン・フロントドライブ)の車で
上り坂では駆動輪(前輪)の荷重が少なくなってスリップしやすいんだから
だったら後ろ向きで,下から勢いをつけて登ればオッケー♪・・なハズ。

いったん下の平地におりて車の向きをバックに変えて
曲がりくねった坂道の形を頭の中で描きながら,勢いつけて・・
やったぁ,こんどは登れた・・と・・最後の瞬間に気を緩めたか
脇の雑草(?)に突っこんで,またエンスト。

もう一度・・と下に戻ろうとしたら
こんどは下り坂なのに何かひっかかるかんじでゴリゴリする。
エンジン音は,すでに暴走族なみのボロロンボロロン状態・・(;; ̄_ ̄;;)

まさか・・と,車の下をのぞきこむ。
エンジンとマフラーをつなぐ部分がぼっきり折れて
マフラーの前部がだらんと下に垂れて引きずってる・・。
うっへへぇ〜っ・・これじゃぁ,仮に上の舗装道路まで戻っても
マフラーが路面を摺って,前に向かって進めないじゃんかよぉ・・(T▽T)


汗だくだくになって
まっ白になった脳味噌で必死で考える。

 助けを求めるしかナイ・・

・・必死で考えて,それしか思いつかないんだもんな・・


荷物をまとめて上の道まで歩いてのぼって
1枚だけあった白い紙にマジックで大きく「HELP!!」と書く。
さっき見捨てた3人家族の姿を思い出して,はげしく後悔する・・。

ちょっと前まで,車はけっこう多かったのに
助けを求めようとすると来ないもんだ。

空は雲ひとつない青空。
日射しをさえぎる樹もなくて
さっき水も飲み干しちゃってて
このままでは生命の危険が・・と恐怖がよぎる。
すこし先の,道端の崖で日陰ができているところまで移動。
まだ車は1台も通らない・・(T▽T)

しばらくして数台通ったけど
白人ふうのオバサンは無視して行っちゃうし
やっと止まってくれた,集団デート中の若者は
「ごらんのように満席だから・・ゴメンよ」と
申し訳なさそうに走り去ってゆく。

落ちつけ落ちつけ・・まだ陽は高い。

やがて,2台つるんで来た地元の人らしいグループが止まってくれて
「ギルネの町は遠すぎるけど・・車はなんとか修理できないのか?」と
わざわざさっきの場所まで見にいってくれたり
ケイタイでどこかに連絡しようとしてくれたり。
うれしくて,涙が出そうになる。

グループのひとりが,次に通りがかった車を止めて
乗せてもらえるよう交渉してくれて,どうやらOKらしい。
親切な彼らに礼を言って,荷物を持ってその車のところへ。
ふと見ると,フロントに「UN」と大書きされている,国連の公用車!!

うっへぇ〜・・マジかよぉ・・いいのかぁ〜?(;; ̄□ ̄;;)


「あちこち寄り道するから,ちょっと時間かかるけど・・いいよ」
というご厚意に甘えて乗せていただく。

道中カタコトであれこれ話を聞いてみると
オーストラリアから6か月の予定で派遣されてきている
「civil police」・・「文民警察官」とでもいうのかな・・の
Jonelleさんという方で,きょうはパトロール中だとか。
ちなみに,筋骨たくましい女性だ。

さすがにオイラの借りたボロ車と違ってスイスイ走って
あっという間にギルネの町に着く。

Jonelleさん,さりげなく
 「さっきオマエを拾った場所からこの町まで,車の距離計で約70kmだ。
  レンタカー屋に車の場所を言うのに参考にしなさい」
と,さっすが見るところが違うぜぃ・・尊敬しちゃう〜♪(゜_゜*)


レンタカー屋のオフィスは,すでに閉まっていた。
えーい・・クレジットカード払いじゃないんだし
あとで請求しよーったって,住所も免許番号も控えてないのは見てるし
(あ・・レンタカー屋のおやじが勝手にハショったんだぜ)
とりあえず車の場所だけ連絡しておけばイイやぁ・・と開き直り。

あとで,事情を書いたのを宿からFAXで送っておこう。
とにかく,疲れた・・。

[1999/10/02記]

 

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